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■キャラクター名 首狩りあずにゃん ■性別:女 ■所持アイテム:マキタ エンジン・チェーンソー 体力:4 攻撃:5 体術:6 運:2 軽音楽:1 ■特殊能力 Killisake!GIRL 20m以内の対象一人にとびかかり首を切断する 発動後は相手に首がある限り必ず切断する 相手に首が無い場合は使えない 一度使うと1時間経過するまでこの能力は使えなくなる 基本的にチェーンソーで切断するが 別に何も無くても使用できる ■キャラクター説明 本名 石野 梓 元々は鳳が丘高校軽音部に所属する内気な女子高生であったが 彼女が元いた世界では環境破壊が引き金となって起こった 「裁きの日」によって地球上の文明はほぼ壊滅、 生物は異常進化によって異形と化してしまう。 彼女はその崩壊した世界により心を砕かれ 魔人として覚醒し人類や異形を狩り続け 殺戮鬼「首狩りあずにゃん」と呼ばれるようになった
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梓「…はぁ?」 唯「ねぇー、ダメー?」 梓「…あの、仰ってる意味がよくわからないんですけど…」 唯「だーかーらー、私はあずにゃんとにゃんにゃんしたいの」 梓「………」 唯「…ダメなの?」 梓「だ、ダメに決まってるじゃないですか!!」 唯「え~? どうしてぇ?」 梓「そ、それは、私達が女の子同士だからですし、あとそれ以前に、そういうのは好きな人とやるものだからです!」 唯「なら問題ないよ、私あずにゃんのこと好きだしさ」 梓「!」 梓「き、気持ちは嬉しいですけど…私達は女の子同士なんですよ?」 唯「うん、そうだね」 梓「ならおかしいと思わないんですか? そういうことは、その……男の人とやることですし…」 唯「えー? そうかなぁ? 私は普通女の子同士でやるものだと思うけど」 梓「!」 唯「それに男の人とにゃんにゃんなんて、気持ち悪くて出来ないよ」 梓「!!」 唯「あと私は女の子なら誰でもいい訳じゃないよ、あずにゃんがいいの」 梓「!!!」 唯「だからさ、私とにゃんにゃんしようよ」 梓「あ…あぅ…///」 唯「ほらほら、早く~」グイグイ 梓「ちょ、ちょっと!引っ張らないで下さい!」 唯「なら私とにゃんにゃんしようよぉ」 梓「嫌に決まって…!…まぁそんなに嫌じゃないかもしれないけど…とにかく離して下さい!」 唯「私とにゃんにゃんするって約束してくれたら離してあげるよ」グイグイ 梓「出来ません!いいから早く離してぇ!」 唯「…そんなに私とにゃんにゃんするのが嫌なの?…ぐすん」 梓「そ、それは……」 唯「私は…こんなにもあずにゃんとにゃんにゃんしたいのに…めそめそ…」 梓「唯先輩…」 唯「なのにあずにゃんは、私のことが嫌いなんだ…うわあああああん!ぽろぽろ」 梓「…先輩」 唯「うおおおおおん!お~いおい…ぐすん…ぽろぽろおおおお!」 梓「…あの、私のこと馬鹿にしてますよね?なんですか、そのぽろぽろおおおお!って… 嘘泣きは止めてくださいよ、あと眼に涙が溜まってませんよ」 唯「…うぅ…あずにゃんの意地悪」 梓「意地悪で結構です。だから唯先輩とはにゃんにゃんしません」 唯「えぇ~…そんなぁ……どうしても?」 梓「どうしてもです」 唯「…本当に?」 梓「本当です」 唯「…本当にどうしても?」 梓「本当にどうしてもです。っていうかさっきからしつこいですよ、何度同じことを言わせるつもりですか」 唯「うぅ…本当に、どうしても、ダメなのか…にゃん?」ウルウル 梓「うっ…!そ、そんな顔をしてもダメです!あと語尾ににゃんをつけてもダメです!」 唯「…ちぇー、わかったよぉ、諦めるにゃん…」 梓「ちょっと!諦め切れてないじゃないですか!」 梓「とにかく、私は何度言われたって唯先輩とにゃんにゃんする気はありませんから。 それだけは覚えておいてくださいね」 唯「わかったよ、まったく…あずにゃんはケチだなぁ」 梓「いやいやいや…これはケチの一言で済まされることではないと思うんですけど…」 唯「分かったって。もうあずにゃんとにゃんにゃんするのは諦めるよ」 梓「そうしてもらえると助かります」 唯「はぁ…しょうがないから帰って憂とにゃんにゃんするかな」 梓「!!な、何言ってるんですか!?」 唯「? 何って、帰って憂とにゃんにゃんするって…」 梓「ちょっと待って下さい!さっき、私以外はダメみたいなこと言ってましたよね?」 唯「だってー…あずにゃんがにゃんにゃんさせてくれないんだもん」 梓「だからって、別の女の子、しかも実の妹を手に掛けるなんて最低です!」 唯「手に掛けるって、そんな大げさな…大体、憂は優しいし、私のことをいつも大好きって言ってくれるから、きっとにゃんにゃんさせてくれるよ」 梓「!!!」 バッチーン! 唯「痛っ!」 梓「はぁ…はぁ…!先輩…見損ないました!!」 唯「…え? なんで…? 私何か悪いこと言った…?」 梓「…!」 梓「……ぐすっ」 唯「…あずにゃん? どうして泣くの?」 梓「…私、先輩のこと正直尊敬してたんです。 優しいし、ギターだって上手だし…私もいつか先輩のようになりたいって思っていました…」 唯「……」 梓「…でも、まさか…先輩がそんなそんな酷いことを平気で言える人だとは思ってなかったです…」 唯「酷いこと…? それってなんのこと?」 梓「だから…!…もういいです、怒る気力も失せてしまいました…」 唯「あれ? あずにゃん、どこに行くの?」 梓「帰ります…さようなら。 あと、殴ってしまってすみませんでした。では…」 唯「あ、あずにゃ…!」 ばたん 私は泣きながら走った。 途中、私の様子を見た人達が何事かと噂しているのを小耳に挟んだが、 そんなことも気にせず、どこか誰もいない場所を目指して、私は我武者羅に走り続けた。 そして気が付けば、私は大きな橋の下にたどり着いており、 そこで一人、声を殺して泣いていた。 梓「うぅ…唯先輩の馬鹿…」 「あらあら…やっと追いついたと思えば、どうして泣いているの?」 梓「え…?」 紬「私にお話し聞かせてくれるかしら?」 梓「ム、ムギ先輩…!?」 梓「…ていう訳なんです」 紬「…そうだったの」 梓「酷いですよね…私ならまだしも、実の妹にも手をかけようとするなんて…」 紬「そうかしら?私は素晴らしいと思うわよ」 梓「……え?」 紬「姉妹同士の愛…いいじゃない…そそるわぁ…」ゾクゾク 梓「ちょ、何言ってるんですか!?女の子同士ですよ!?姉妹ですよ!?おかしいと思わないんですか!?」 紬「思わないわ」 梓「そんな…ムギ先輩といい、唯先輩といい…異常です!」 紬「あら、同性愛者を馬鹿にするの?」 梓「そ、それは…」 紬「…ねぇ梓ちゃん、女の子同士っていうのも悪いものじゃないのよ?」 梓「…私にはわかりません、失礼します!」 紬「待ちなさい」ガシッ 梓「ちょ、ちょっと!離して下さい!」 紬「嫌よ、ねぇ梓ちゃん…」 梓「な、なんですか…?」 紬「梓ちゃんって…可愛いわねぇ…」 梓「ひっ!?」 紬「正直、食べちゃいたいわぁ…♪」ジュルリ 梓「せ、先輩…冗談ですよねぇ…?」 紬「くすくす…これが冗談を言っている顔に見える…?」 梓「…見えないです、って顔が近いです! お願いです…止めてください…」 紬「嫌よ…だってこんなに可愛い子を目の当たりにしてるんだもん…今更遅いわ」 梓「お、遅くないです!だから、どうか思い止まって…」 紬「それは出来ないわ、それじゃ…いただきまーす♪」 梓「ぎゃあああああああああ!!!唯先輩助けてええええええええ!!!」 紬「……うふふ♪」 梓「…あれ? ムギ先輩?」 紬「うふふふふふ…あははははははっ!」 梓「え…? どうして急に笑い出したんですか?」 紬「あはははは!…ごめんなさい、つい可笑しくって…」 梓「何がですか?」 紬「だって…助けて唯先輩って…あははははっ!」 梓「なっ!?そ、それは咄嗟に唯先輩の顔が浮かんだので、それで…!」 紬「うふふ…なんだ、結局は、梓ちゃんは唯ちゃんが好きなんじゃない」 梓「…え?」 梓「そ、そんなことない……と思います…」 紬「うふふ♪梓ちゃんは素直じゃないのね」 梓「…だって、女の子が女の子を好きだなんて気持ち悪いじゃないですか」 紬「だから…さっきも言ったようにそんなことないわよ。 好きだから一緒にいたい、もっと相手を感じたい、それはとても自然なことよ」 梓「…そんなことないです、それは異常です」 紬「まったく…ならとっておきのことを教えてあげる」 梓「…とっておきのこと?」 紬「そう、誰にも言っちゃだめよ?」 梓「…はい」 紬「実はね…澪ちゃんとりっちゃんは付き合ってるの」 梓「………え? ええええええええええ!?」 梓「えっいやいやいやだって…えええええ!?あの二人が!?」 紬「ふふ、そうよ、驚いたでしょ?」 梓「それはもう…すごく驚きました…ちなみにいつから…?」 紬「そうねぇ…夏の合宿の時からかしら。 澪ちゃんから告白したんだって♪」 梓「な、なんと…信じられません…」 紬「あらあら…なら証拠を見せてあげるわ」 梓「証拠?」 紬「そう、二人が付き合っているという決定的な証拠…これを見たら梓ちゃんもきっと納得してくれるわよ」 … 律「でさー唯の奴がさー」 澪「はははっ、全く、唯は相変らずだなぁ」 紬「あらあら…相変らず二人は仲良しねぇ…」 梓「…ムギ先輩、どうして私達はあの二人の後をつけているんですか?」 紬「決まってるじゃない、証拠を見る為よ」 梓「でもこれって…ストーカーじゃ?」 紬「違うわ、尾行よ」 梓「どっちも根本的な意味は同じじゃないですか!」 律「ん? 誰かいるのか?」 紬梓「!!!」 律「……」 澪「どうした律、誰か後ろにいるのか?」 律「んー…いや、どうやら私の気のせいみたいだな」 澪「? そうか。で、さっきの話の続きなんだけどさー」 紬「……ふぅ、何とかばれずに済んだようね」 梓「し、心臓が止まるかと思いました…」ドキドキ 紬「あらあら、こんなにドクドク動いてるのに?」 梓「ん…/// ちょ、ちょっと!さり気なく胸を揉まないで下さい!」 律「…やっぱり誰かいるのか?」 紬梓「!!!」 律「誰だ!?こそこそしないで出てこいよ!」 紬「ま、まずい……」 梓「どうするんですか…?こっちに近付いてきますよ…」 紬「とにかく見付からないように頑張って…」 梓「頑張れって言ったって…」 律「誰だよ!!さっさと出てこい!!」 紬梓「あぁ…もうダメ、見付かる…」 律「…なんなんだよ一体、気味悪いな」 澪「律…走って帰ろう?」 律「あぁ…そうだな」 紬「……よかった、また見付からずに済んだわ」 梓「そうですね…でも二人走っていっちゃいましたよ? どうするんですか?」 紬「当然、追うわよ」 梓「はぁ…はぁ…ムギ先輩!待って下さい!」 紬「遅いわ!早くしないと証拠を見逃しちゃうわよ?」 梓「そ、そんなこと言ったって…!」 紬「ほらほら、早く!……あ」 梓「痛っ!どうして急に止ま…!」 紬「しー…ほら、あれを見て」 梓「あれ…? …!」 梓「あ、あれって…澪先輩と律先輩が…キスしてる…?」 紬「そうよ…どう? これで私の言ったことを信用する気になったでしょ?」 梓「……はい」 梓「…でも、やっぱり女の子同士なんて…」 紬「まだそんなことを言ってるの? ほら、もう一度あの二人を見てみなさい。……どう? 二人とも、すごく幸せそうな顔をしているでしょ?」 梓「…はい、そうですね」 紬「二人を見てわからない? 愛に性別なんて関係ないの。 好きだからキスをする、それと同じで唯ちゃんも梓ちゃんが好きだからにゃんにゃんしたい。 そう思うのはいけないことかしら?」 梓「…私には…まだよくわかりません…でも」 紬「でも?」 梓「あの二人を見てると…愛に性別なんて関係ないって、少しだけ思えるようになりました」 紬「あらあらまぁまぁ♪」 梓「それでも私の同性愛に対する偏見は、完全に拭いされた訳ではありません」 紬「あらあらまぁまぁ…」 律「……えへへ、澪の唇は柔らかいなぁ」 澪「律の唇も柔らかいよ…それに甘い」 律「そ、そうかな…えへへ///」 澪「律…愛してる」 律「私もだよ澪……ん…」 梓「……しかし長いですねぇ、キスだって何度目ですか?」 紬「はぁ…はぁ…!いいじゃない…素晴らしいわ…!」 梓「……」 律「……!み、澪…!?」 澪「いいから…ん…」くちゅ 律「ん…!…んあ…」ぴちゃぴちゃ 梓「………ムギ先輩、さっきからあの二人…」 紬「えぇ…ディープなキスをしてるわね…素晴らしいわぁ…!」 梓「…なんだか見てるこっちが恥ずかしくなりますね///」 紬「素晴らしい…素晴らしいわ…カメラを持ってこなかったのが悔やまれるほどに…!」 梓「盗撮は立派な犯罪ですよ…」 律「……ん…も、もう…びっくりさせるなよ…」 澪「律…愛してる」チュッ 律「…うん、私も」チュッ 澪「…それじゃここで、また明日な」 律「うん、また明日」 梓「どうやらここでお別れの様ですね」 紬「そうみたいね…残念…」 梓「残念って…」 律「ばいばい澪!………さて、さっさと出てこいよ、ムギ、梓」 紬梓「!!!」 紬「い、いつから私達の存在に…?」 律「最初から。お前ら声でかいんだもん、澪は気がつかなかったみたいだけど」 紬「不…不覚…」 梓「…え?ということは、私達が見ていたのを知っててキスをしたんですか!?」 律「そうだよ、別に隠すことでもないからな。 特にお前達には」 梓「は、はぁ…だからって眼の前でキスをするのはどうかと思いますけど…」 律「私達のラブラブパワーを二人にも見てほしかったからな!」 梓「ラブラブパワー…? なんですかそれは?」 律「そうだなぁ…一言でいうなら、それは…」 律「愛、かな?」 梓「……そうですか」 紬「ほら梓ちゃん、りっちゃんはこんなにも堂々としてるじゃない。 だから恥ずかしがることなんかない、それに異常なことなんかじゃないのよ?」 梓「そ、それでも…」 律「なんだ梓、好きな人でもいるのか?」 梓「…別にいないです」 紬「…ふぅ、実は梓ちゃんね、唯ちゃんのことが…」 梓「わーわーわー!」 律「へぇ~…梓は唯のことが好きなのか…」ニヤニヤ 梓「何ニヤニヤしてるんですか!?それに違います!」 律「何も隠すことはないだろぉ?同じ部員同士なんだから教えてくれよぉ」ニヤニヤ 梓「だから違います!好きなんかじゃないです!」 律「おい本当のことを言え、これは部長命令だ!」 梓「えぇ!?なにそれずるいです!」 律「…なるほど、大体の話はわかった。 やっぱりお前は唯のことが好きなんだな」 梓「だ、だから違うって何度も…!」 律「違わないよ。前々から何となく気づいてたんだよなぁ」 梓「気づいてたって何にです…?」 律「お前は唯といる時はすごく楽しそうな顔をしてる。 それはまるで私が澪と一緒にいる時みたいなな」 梓「…そんなことないです」 2
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春 唯「あずにゃんや」 梓「聞こえてます」 唯「じゃあすぐ返事してよ」 梓「どうせいつもの下らない話かと思いまして」 唯「ひどいな~。私だって先輩なんだかr」 梓「それで?何の話ですか?」 唯「いや、特に何でもないけど」 梓「じゃあ話しかけないでください」 唯「ごめ~ん」 梓「……澪先輩達はどうしたんですか」 唯「あずにゃん、澪ちゃんが大好きだもんね。早く会いたいよね」 梓「そうですね。早く澪先輩に会って頭をなでなでしてもらいたいです」 唯「そっか。りっちゃんがね、6限目からずっと机に突っ伏して寝ててね。 昨日遅くまで起きてたらしいし、あったかいからねぇ。 それで、澪ちゃんはりっちゃんが起きるまで待ってるから先に行ってて、だって」 梓「……ムギ先輩は?」 唯「あれ?そういえばムギちゃんはどうしたんだろう。いつの間にかいなくなってたけど」 梓「きっとムギ先輩も教室にいるんですよ」 唯「どうして?」 梓「さぁどうしてでしょう」 唯「わからないよ。ま、そのうち来るよね。早くお茶飲みたいなぁ」 梓「練習しましょうよ」 唯「何をするにしてもエネルギー補給は大切だよ。ムギちゃんのお茶然り、憂のご飯然り、あずにゃん分然り」 梓「最後の要りません」 唯「必要だよ」 梓「要りません」 唯「ツれないなぁ」 梓「とりあえずこのポッキーで我慢してください」 唯「うわぁ、ありがとうあずにゃん。一緒に食べよう」 梓「一緒にってどういう意味でですか」 唯「ツれないなぁ」 梓「唯先輩って本当に練習嫌いですね」 唯「私だってちゃんと練習してるよ。毎晩寝る前に」 梓「本当ですか?」 唯「ほんとうだよ!憂に聞いてみればいいよ」 梓「きっと憂はうるさくて眠れない日々が続いてるんだろうなぁ」 唯「そんな遅くまでやってないよ。ていうか信じてくれたんだ。うれしい」 梓「まだ信じてませんよ」 唯「じゃあ今度うちに泊まりに来て一緒に練習しようよ」 梓「なにが『じゃあ』なんですか。お断りします」 唯「そんなぁ」 梓「部活なんですから今練習しなくてどうするんですか」 唯「あずにゃんも家で練習してるの?」 梓「そりゃあ当然してますけど」 唯「そっかあ。上手だもんねあずにゃん」 梓「小さい頃からやってますからね」 唯「親御さんの影響だっけ?」 梓「はい」 唯「いいなぁ、そういうの。私は親の影響を受けて始めたものとかないからねぇ。ごく普通のお父さんとお母さんだよ」 梓「うちの親も普通ですよ」 唯「いやでもうらやましいよ。恵まれてるよあずにゃん」 梓「そうですね。確かに恵まれてます。いつか恩返ししたいですね」 唯「恩返しってどういう?」 梓「それは……いい大学に行って、いい仕事を見つけて、いい人と結婚して、孫の顔を見せてあげることじゃないですか?」 唯「夢がないなぁ、あずにゃんは」 梓「そういう唯先輩はどうなんですか」 唯「私?う~ん、まだ分からないや。今でせいっぱい」 梓「そうですか。じゃあ今は練習あるのみですね」 唯「結局それですか」 夏 唯「あずにゃんや」 梓「何ですか」 唯「合宿楽しみだねぇ」 梓「そうですね。ようやくみっちり練習することができます」 唯「いやそうじゃなくて……まぁいいや」 梓「どうしたんですか」 唯「いやなんでもないよ。ところで中学まではどんな風に夏を過ごしてた?」 梓「あちこちにライブを見に行くことが多かったですね。おかげで夏休み終盤に宿題を片付ける羽目に」 唯「私もゴロゴロしたりプールに行ったり海に行ったりゴロゴロしたりしてたら宿題が」 梓「それは大変でしたね。今年は大丈夫ですか」 唯「みんなと一緒にやるから大丈夫だよ。あずにゃんは?」 梓「憂と一緒にやるから大丈夫です。それと純も」 唯「純ちゃんってお友達?」 梓「唯先輩とも同じ中学のはずですけど」 唯「う~ん、あ、憂の友達にサラサラのロングヘアーの子がいたけどその子かな?」 梓「残念ながら違います」 唯「まぁいいや。あ、あそこでかき氷売ってるよ。一緒に食べよ!」 梓「すみません。今日財布を家に置いて来てしまって」 唯「じゃあおごるよ。何味がいい?」 梓「いえ、悪いですよ。唯先輩だけ食べて来てください」 唯「何味がいい?」 梓「いりませn」 唯「何味がいい?」 梓「……いちごミルクで」 唯「おいしいね」 梓「はい」 唯「う、頭がキーンと!」 梓「子供ですか」 唯「これでも高校二年生です!」 梓「来年は受験生ですね」 唯「そっか。こうしてのんびり夏を過ごせるのも今年までなんだね」 梓「唯先輩は来年も遊び呆けてそうですけどね」 唯「ちゃんと勉強します。あずにゃんには寂しい思いさせるかもしれないけどね」 梓「なりませんよ、寂しくなんか。必死こいて勉強してる唯先輩をしり目に遊び通してやります」 唯「またまた~。あずにゃんは寂しさのあまり白昼夢とか見てそうだよ~」 梓「ありえませんよ、絶対」 唯「何はともあれ、今年はいっぱい遊んで思い出作らなきゃね」 梓「遊ぶのもいいですけど練習もですよ」 唯「相変わらず練習魔だねぇあずにゃんは。そんなにカリカリしてたら禿げちゃうよ」 梓「ありえないです」 唯「あずにゃん、髪切ったら?」 梓「ショ、ショートヘアの方が唯先輩の好み?」 唯「いやむさ苦しくないのかなって。ていうか何そのノリ?」 梓「言ってみただけです」 秋 唯「あずにゃんや」 梓「はい」 唯「最近元気ないよね」 梓「そんなことないです」 唯「そう?」 梓「ただ学園祭が終わってからだらけっぱなしの唯先輩にはイライラしてますね」 唯「耳が痛い」 梓「読書の秋と言いますし本でも読んでみたらどうですか。貸しますよ」 唯「漫画?」 梓「小説です」 唯「じゃあダメだ」 梓「あきらめたらそこで試合終了ですよ」 唯「むぅ~ん。どんな小説なの?」 梓「コテコテの恋愛小説です」 唯「あずにゃんも恋愛に憧れてたりするの?」 梓「そりゃあ、まあ」 唯「じゃあどうして女子高に来たの?」 梓「女子高だからって恋愛できないわけじゃないでしょ」 唯「あー……うん。そういう人もいるよね」 梓「……何か勘違いしてませんか」 唯「さあ」 梓「そういう唯先輩はどうなんですか」 唯「私?私は普通に男の人を……」 梓「そっちじゃなくて。恋愛したいとは思わないんですか」 唯「あー、うん。そういうの考えたことないや。今も十分楽しいし」 梓「ちゃんと考えなきゃダメですよ。高校出たらあっという間に大人になっちゃうんですから」 唯「そして彼氏もできず結婚もできないままアラフォーへ。さわちゃんみたいにはなりたくないね」 梓「さわ子先生もそこまで歳行ってません。生き後れなのは事実ですけど」 唯「まぁ焦ることはないよあずにゃん。私達の周りはみんな恋とは無縁だからね」 梓「ほんとどうしてなんでしょうか。ムギ先輩とか彼氏いてもよさそうなんですけどね」 唯「なんでだろうね」 梓「でも確かに色恋にかまけてやるべきことをやらないのはいけないですね。だから明日からはちゃんと練習してください」 唯「またそれだよ。あずにゃんも懲りないねぇ」 梓「懲りてないのは唯先輩の方ですよ」 唯「そうだね。あと一年だもん。がんばらなきゃね」 梓「わかってくれましたか」 唯「あずにゃんがもう少し素直に抱きつかれてくれればもっと練習するよ」 梓「やれやれです」 唯「あれ?もう帰っちゃうの?」 梓「はい。3人がお休みじゃ練習しようがないでしょう。それに用事もありますし」 唯「彼氏?」 梓「違います」 唯「よかった」 梓「何がです」 唯「はい、これ」 梓「何ですか、これ」 唯「誕生日、おめでとう」 冬 唯「あずにゃんや」 梓「ふぁい」 唯「アイス取って来てくれない?」 梓「自分で行ってください」 唯「コタツから出たくないよぉ」 梓「こんな寒い中買い物に行ってる憂の身にもなってください」 唯「あれ?憂いつの間に出掛けたの?」 梓「唯先輩がよだれ垂らしてる間です」 唯「それは酷なことをした……。りっちゃん達ももう帰っちゃったの?」 梓「ええ」 唯「あずにゃんはどうしてまだいるの?」 梓「憂のためですよ。泥棒に入られたらたまったもんじゃないですからね」 唯「ありがとね」 梓「憂のためです」 唯「あずにゃん、眠そうだね。ちょっと休んだら?」 梓「いえ、もう遅いし帰ります。今日は楽しかったです」 唯「泊まっていきなよ」 梓「いえ、いいです」 唯「遠慮しないで」 梓「遠慮しておきます」 唯「帰っちゃうの?」 梓「はい」 唯「せめて雪が弱くなってからにしたら?」 梓「……もう少し待ちます」 唯「憂、大丈夫かなぁ?傘持っていった?」 梓「多分持っていったと思います。憂なら天気予報をちゃんと確認するはずですから」 唯「あずにゃんは確認してないの?」 梓「しましたけど朝家を出る時はあんなに晴れてたから大丈夫かなぁって」 唯「憂にメールしてみよっと。ムギちゃんも大丈夫かな?電車止まってないかな?」 梓「どうでしょうか。私は澪先輩と律先輩にメールしてみます」 唯「憂は傘は持ってるけど雪がひどいってことでスーパーの近くの喫茶店で雪が止むのを待ってるみたい。 ムギちゃんは家の人に迎えに来てもらったって」 梓「律先輩は澪先輩の家にお邪魔になってるそうです。急に雪が降りだしたからって」 唯「みんな災難だったね~」 梓「大人しくコタツで寝てればよかったものを……」 唯「皮肉ですか」 梓「はい」 唯「とにかく、しばらくはコタツでのんびりしてなよ~。ほら、みかんをどうぞ」 梓「いただきます」 唯「みかんはいいよ。おいしいし、健康にいいし」 梓「私も一年前のこの時期はよく食べてました。受験が近かったですから」 唯「みかんのおかげで晴れて桜高に合格、というわけですな」 梓「唯先輩はよく受かりましたね。憂に代わりに受けてもらったとか?」 唯「私もみかんパワーだよ」 梓「一緒にしないでください」 唯「去年は色々あったねぇ。あずにゃん、去年はどういう年だった?」 梓「去年は……かっこいい先輩と頼れる先輩と優しい先輩に出会えて」 唯「ふむふむ」 梓「しっかりしてる友達と憎めない友達が出来て」 唯「ほうほう」 梓「学園祭ライブも成功させることができたし」 唯「うんうん」 梓「ライブハウスで演奏できたし」 唯「たんたん」 梓「今までにないくらい充実した年でした!」 唯「おう?」 梓「何か?」 唯「いやぁ何でもないよ」 梓「あ、さわ子先生も何だかんだでいい人ですよね。ギターも上手でしたし」 唯「うん」 梓「和先輩にも学園祭の時はお世話になりました」 唯「そうだね」 梓「私、出会いに恵まれてよかったと思ってます。桜高に来てよかったです」 唯「そうだよね」 梓「何よりも」 唯「うん?」 梓「私をこんな素敵な場所に連れ込んでくれた人に感謝してます」 唯「……へぇ」 梓「その人は怠け者で天然で物覚えが悪くて」 唯「うぅ」 梓「嫌がってることも気にせずひっついてきて、強引に手を引っ張って」 唯「はぁ」 梓「たまに見せるマジ顔と演奏で私の心を奪うんです」 唯「……迷惑じゃない?」 梓「大迷惑ですよ。詐欺に遭った気分です」 唯「サギ?」 梓「鳥じゃありませんよ。普段からもっとしっかりしろってことです」 唯「贅沢はよしなさい」 梓「腹立ちました。もう帰りますね」 唯「えぇ~」 梓「雪止みましたから。では失礼します」 唯「うわぁ~ん。帰っちゃうんだぁ。また寝てやる。心配させて帰れなくしてやる」 梓「……おやすみなさい」 唯「うぃ~ん」 梓「……アイスはここに置いておきますね」 春 唯「あずにゃんや」 梓「おはようございます」 唯「おはよう」 梓「早いですね」 唯「目覚まし一時間早くセットしちゃって」 梓「この間もそんなこと言ってましたね」 唯「そういうあずにゃんも早いね」 梓「私も同じです」 唯「そっか」 梓「はい」 唯「部室行く?」 梓「ええ」 唯「今日はりっちゃんと澪ちゃん来るかなぁ」 梓「風邪でしたっけ。唯先輩も気を付けてくださいね」 唯「だぁいじょおぶだよ~」 梓「慣れない早起きして生活リズム狂ってるんじゃないですか」 唯「ちゃんと寝てるから大丈夫だよ」 梓「授業中に、でしょ」 唯「ごめいとう」 梓「澪先輩と律先輩のためにノート取ってあげたりしないんですか。ムギ先輩に任せっきりなんでしょう」 唯「Oh, that’s right...」 梓「今日は唯先輩がやってくださいね。放課後一緒にお見舞いに行きますから」 唯「わかりました」 梓「素直でよろしいです」 2
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駅前に最近オープンしたという雑貨屋さん。 部活終わりに唯先輩が寄って行きたいというのでお供することにした。 ……店内でそのあだ名を連呼しないでください。 うぅ…店員さんがこっち見て笑ってる気がする… 唯「ほらこれ!むったんだよ!可愛いよ~」 梓「あ…」 唯先輩が指差したのはシルバー製のペンダント。 そのペンダントトップは確かにむったん―――私の愛器ムスタングの形をしていた。 唯「可愛いよね~?絶対あずにゃんに似合うよ!」 唯先輩の言う『可愛い』は偶にちょっと理解できないものもありますが このペンダントは私にも素直に可愛いと思えた。 値段も手頃なのでこれなら今の手持ちでも……あ。 梓「唯先輩。こっちにギー太もありますよ」 唯「えっ?あっホントだー!ギー太も可愛い~♪」 私が指差したレスポールの形のペンダントを見つめる唯先輩の目はキラキラと輝いていた。 唯「うーん…この値段なら……来週お小遣いだし……」ブツブツ・・・ なにやらブツブツと呟いていらっしゃる。 唯「よし!買っちゃおう!ギー太ペンダント!」フンス! どうやら購入に踏み切った様子の唯先輩。私も…買っちゃおうかな… 唯「あずにゃんは?むったん買わないの?お揃いにしようよー」 う…お、お揃いとか言わないで下さいよ…… そこを意識したら買うのを躊躇しちゃうじゃないですか。 いえ、決して唯先輩とお揃いのペンダントを着けるのが嫌だという事はなく むしろ望むところなんですが…まあ唯先輩には私の複雑な乙女心なんて わかりませんよね。 梓「じゃ、じゃあ私も買います……///」 よし!言えた! 以前の私ならここで『わ、私はいいです!///』なんて変にツンデレを発揮して 家に帰ってから後悔するところでしたが……私も成長しました!フンス! 唯「あ!そうだあずにゃん。どうせならプレゼント交換しようよ!」 梓「プレゼント交換…ですか?」 唯「うん。私がむったん買ってあずにゃんにあげるから、あずにゃんはギー太を買って私にちょうだい?」 むったんペンダントもギー太ペンダントも値段は同じだ。 梓「それって結局自分で買うのと変わらないじゃないですか」 唯「えぇー全然違うよぉー」ブーブー はい。ホントは私もわかってます。全然違いますよね。 自分で買うのと唯先輩に買ってもらうのと…支払う金額、手に入る品物は同じでも そのありがたみは天と地ほど違います。 梓「わかりました。プレゼント交換しましょう」 唯「わーい♪やったー!」 子供のようにはしゃぐ唯先輩。ふふ…可愛い… 唯「よしっ、じゃあレジへゴー!」 梓「あ、あのっ、唯先輩!」 ――――――――― それぞれペンダントを購入した私達は雑貨屋を後にした。 唯「じゃあこれ、あずにゃんにプレゼント!えへへ…大事にしてね?///」 梓「は、はい!じゃあ私からこれを…先輩も大事にしてくださいね?///」 唯「うん!もちろん!」 お互いにペンダントをプレゼントしあう。うぅ…照れる……/// 唯「えへへー♪さっそく明日から着けていこうね?あずにゃん」 梓「ええっ?学校に着けて行くんですか!?」 校則でアクセサリーの類は禁止されている。 先生に見つかったら没収されてしまうんじゃないだろうか。 唯「ブラウスの下に着けてたら見つからないよ。体育のある日だけ気をつけてたら大丈夫!」 確かに。体育の着替えの時でもない限り学校でブラウスを脱ぐことなんてまず無い。 ブラウスの下に着けている分には誰かに見られる心配はないだろう。 ないだろうけど……やっぱりちょっと恥ずかしい… 唯「ね?あずにゃん、お願い」 出ました。上目遣いでのお願い攻撃。 意識してやっているのかどうかは知りませんがこれをやられると私は逆らうことが出来ない。 梓「わ、わかりました……けど、このことは他の先輩方にも内緒にしておきましょうね?」 唯「そうだね…バレちゃったら私もさすがに恥ずかしいかも…///」 梓「唯先輩はクラスでは特に気をつけてくださいよ?特に律先輩には絶対バレないように!」 あの人に見つかったらどれだけ冷やかされることか。 唯「そんなに心配しなくても大丈夫だよー……えへへー、二人だけの秘密だね?」 梓「うっ…ソ、ソウデスネ・・・///」 ―――翌日――― 放課後、部室には私が一番乗りだった。誰もいない部室で先輩方が来るのを待つ。 うぅ…なんだかドキドキする… 約束どおりブラウスの下には昨日唯先輩に貰ったペンダントを着けている。 放課後までは誰にもバレることなく過ごせたけど 憂には『梓ちゃん、何かいいことあったの?』と言われ、 純には『朝からずっとニヤニヤして…ちょっと気持ち悪いよ?』などと言われてしまった。 私ってそんなに顔に出やすいのかな…? ガチャッ 律「おーす梓!早いなー」 澪「待たせちゃったか?ごめんな?」 紬「こんにちは梓ちゃん。すぐにお茶淹れるわねー♪」 唯「あずにゃん、おいーす!」 先輩方は4人一緒にやってきた。 皆さんと挨拶を交わしつつも私の意識はやはり一人の先輩に集中してしまう。 唯先輩は私と目が合うといつものように抱きついて……は来ませんでした。 右手を自分の胸元に当て、ニコッと微笑む。 制服に隠され見えませんがその右手の下には私がプレゼントしたペンダントがあるのでしょう。 顔が熱くなっていくのを堪えながら、私も唯先輩と同じように 右手を自分の胸元へ、制服越しにペンダントにそっと触れる。 非常に照れくさいです…/// 唯先輩はそんな私を見て満面の笑みを浮かべ抱きついて…いえ、もうほとんど飛びついてきました。 唯「あずにゃ~~~ん♪」ムギュウ いつもどおりの抱きつきプラス頬ずりですが唯先輩のほっぺは いつもより少し熱を帯びている気がした。 そして私の心臓の鼓動はいつもより少しどころではないほどバクバクいっている。 唯先輩は私に抱きついたまま他の先輩に聞こえないように耳元で囁く。 唯(ちゃんと着けてきてくれたんだね……ありがとう、あずにゃん♪) 梓(や、約束しましたからね…///) いつもならすぐに『離してください!』なんて心にもないことを言ってしまう私ですが 今日ばかりはそんな言葉は出てこなかった。 むしろ若干唯先輩に身を委ねているような…… 律「おーい。いつまで抱き合ってるんだー?お茶にしようぜー」 梓「なっ!?///抱きつかれてるんであって抱き合ってなんかいません!///」 紬「まあまあ、いいじゃない♪唯ちゃん梓ちゃん、ごゆっくり~♪」 澪「あんまりゆっくりしてたらお茶冷めちゃうぞ?」 唯「そうだね!あずにゃんはいつ抱きついても抱き心地は最高だけど、 お茶はあったかい内に飲む方が美味しいもんね!」 律先輩の一言からいつもの軽音部のノリになりティータイムが始まった。 ――――――― ガチャッ さわ子「いぇーい!みんな揃ってる?新しい衣装ができたわよー!」 部室に入ってきたさわ子先生を見て部員五名の内二名は嬉しそうに顔を輝かせ、 残りの三名はうんざりした顔をした。当然私はうんざり組の方だ。 さわ子「ふーんだ。あんた達三人には期待してないわよー。どうせまだ一着しか出来てないしね。 そうねぇ…唯ちゃん、着てみてくれる?」 唯「は~い。おぉ!結構可愛い服だね~」 唯先輩の言うとおり、今回の衣装はさわ子先生作にしては落ち着いたデザインで なかなか可愛らしかった。唯先輩に似合いそうだな……ドキドキ 唯「♪~~♪♪~」 鼻歌交じりにブレザーを脱いでいく唯先輩。もう少し恥じらいを…と言いたい所ですが まあ当然女子しかいない空間ですし、先輩方は皆さん同じクラスなので 下着姿ぐらいは体育の着替えなどで見慣れたものなのでしょう。 私だけあまりむきになって注意しても逆に意識してるみたいで恥ずかしいし。 そんな事を考えているうちに唯先輩はタイをほどき、ブラウスのボタンに手をかけ――― あ あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっっっ!!!!!! 梓「ゆ、唯先輩!物置の方へ行って着替えましょう!!」 唯「ほぇ?なんで?」 ああ…やっぱり唯先輩は気づいていない。 まあ私も唯先輩の着替えに浮かれて今の今まで忘れていたんですが。 油断していました。体育の授業以外にも軽音部にいればこんな形で ブラウスを脱ぐ可能性もあったんだ……! 律「おいおい、急にどうしたんだよ梓。唯先輩のお着替えに興奮しちゃったんでちゅかー?」ニヤニヤ やかましいです。 今は律先輩の冷やかしに付き合ってる暇はないんです! 紬「あら?唯ちゃんそれ……ペンダント?」 唯「……あっ!」 あああぁぁぁぁぁぁぁ……見られてしまったぁぁぁぁぁぁあ!! 既にブラウスの第二ボタンまで外してしまっていた唯先輩の胸元からは チラチラとシルバーの輝きが見え隠れしていた。 ムギ先輩に指摘されたことで唯先輩も漸く気づいたようだ。 うぅぅ……どうしよう…… さわ子「……唯ちゃん?アクセサリーは校則違反よ?学校に着けてきちゃ駄目じゃない」 唯「ご、ごめんなさいさわちゃ…さわ子先生!その…没収だけは勘弁してください!!」ペコリ 普段はさわ子先生に対してフランクに話しかける唯先輩が真面目な口調で謝っている。 私も唯先輩と一緒に頭を下げたい気持ちでしたが、それをするとなぜ梓まで謝るのかと 追求され、私と唯先輩の秘密がバレてしまう恐れがあるので出来なかった。 すいません、唯先輩。一人で怒られてしまって……帰りにアイス奢りますから! 三段重ねまでならいいですから!! さわ子「しょうがないわねぇ…今回だけは特別よ?他の先生に見つかったら庇いきれないからね?」 唯「あ、ありがとうさわちゃん!」ホッ なんとか没収は免れました……一安心、と言いたいところですが 私のピンチはまだ続いている。 紬「へぇー、ギターの形のペンダントなのね。唯ちゃん、よく似合ってるわ♪」 よし、まだ大丈夫だ。バレてない。ギターが大好きな唯先輩が ギターの形のペンダントを着けていても何もおかしくないはずだ。 それにちっちゃいペンダントトップだから細かいデザインまでは見えないはず…… お願いします!誰も気づかないで……! 澪「あれ?唯…そのペンダント……」 ギクッ! ゆ、唯先輩!早く隠してください!! 律「どうした、澪?」 澪「いや…唯の着けてるペンダント…ムスタングじゃないか?」 紬「あっホントだわ。むったんの形してる…!」 唯「え、えへへ……///」 えへへじゃないですよぉ!! 唯せんぱあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!! 律「ほぉう…唯がギー太じゃなくむったんのペンダントをねぇ…」 律先輩はニマリと笑い私の方を見る。 ……なんですか、そのイヤラシイ目つきは。 こっち見ないで下さい。 いや、律先輩だけではなかった。今や部室にいる全員の目が私に向いていた。 正確には私の胸元に――― さわ子「梓ちゃん…ブラウスを脱ぎなさい」ニヤニヤ 梓「い、嫌です。セクハラです!」 律「いや別に脱がなくてもいいぞ。梓が首にぶら下げてるものを自分で見せてくれたらなー」ニヤニヤ 梓「私の首にはなにもぶら下がってません。だから見せれません」 私のその言葉を聞いた時、唯先輩が悲しそうな目をした。 いや違いますよ?唯先輩。 ちゃんと着けてますからね? ただ、今はこう言うしかないじゃないですか! このペンダントを皆さんに見られたら私は恥ずかしくて死んでしまいます! さわ子「梓ちゃん?私にはね、教師として校則違反をしているかもしれない生徒をチェックする義務… いえ、権利があるのよ!素直に見せれば没収は勘弁してあげるわ」ニヤニヤ そのにやけ顔は校則違反をチェックする教師の顔じゃないですよちくしょう。 紬「梓ちゃん!没収されたら大変!見せて許してもらおう?」ニコニコ 澪「…そ、そうだぞ梓。ここは素直に見せたほうが……///」ドキドキ ムギ先輩も澪先輩もどうやら味方にはついてくれないようです。 というか皆さんもう私の首になにがぶら下がっているのかわかってますよね? 今更見せる必要もないでしょう……… 唯「……………」 唯先輩の方をチラリと見ると先ほどから変わらずションボリした顔をしている。 私がホントにペンダントを着けていないんじゃないかと心配になっているのでしょう。 ………まったく、あなたという人は……… 他の先輩方や先生は私がペンダントを着けていると確信しているのに なんであなたがそんなに不安そうなんですか。 とは言え、唯先輩を不安にさせてしまったのはさっきの私の発言のせいだ。 いつまでも唯先輩にそんな顔をさせておくわけにはいかない。 ………………………………… 覚悟を決め、襟元のタイを外す。 律先輩、さわ子先生、あなた方に言われたから見せるんじゃないですよ? 唯先輩を早く安心させる為、唯先輩の為に見せるんです。 ブラウスの第一ボタンを開け、私は胸元からギー太のペンダントを取り出した。 ――――――― さわ子「それにしてもやるわねあなた達。ペアのペンダントとはねぇ…」ニヤニヤ 律「しかもそれぞれ相手の楽器のペンダントだもんなー」ニヤニヤ 澪「……『ペアのペンダント』か…あ、なんか歌詞が出来そう……///」ドキドキ 紬「すごいわ!唯ちゃん梓ちゃん!その、なんて言うか……すごいの!!」キラキラ 皆さん私と唯先輩をお茶の肴(?)にティータイムを楽しんでいらっしゃる。 私は机に突っ伏したままの体勢で先輩方の話を聞いていた。 ……もうなんとでも言ってください。 言い訳のしようもありません。 唯「ごめんねぇあずにゃん。私のせいでバレちゃって……えへへ///」ニコニコ すっごく嬉しそうですね。唯先輩…… 澪「そう言えば昨日の帰り二人で雑貨屋に寄るって言ってたよな。そこで買ったのか?」 唯「あ、うん。そうだよ~」 梓「………………」シーン 律「唯はともかく梓はお揃いのペンダントなんか恥ずかしがりそうだけどなー…よく説得できたなー唯」 紬「そうよねそうよね!?しかもお互いの楽器を交換して着けるなんて……!すごいわ!!」キラキラ 唯「あ、それはねー最初は普通に私がギー太を着けるはずだったんだけど……」 梓「!!!!!」ガバッ ちょっ!?唯先輩!!?そ、それ言っちゃうんですか!? ―――昨日――― 唯「よしっ、じゃあレジへゴー!」 梓「あ、あのっ、唯先輩!」 唯先輩とペンダントを交換し合うことに浮かれた私はちょっと欲を出して それ以上の事を思いついてしまった。 唯「なに?あずにゃん」 梓「やっぱり私がむったんを買ってもいいですか…?」 唯「えぇー……プレゼント交換してくれないの……?」ションボリ 梓「い、いえ、そうじゃなくって…あの、私がむったんを買って唯先輩にプレゼントしますから 唯先輩はギー太を買って私にくれる、というのはどうでしょう……?///」 唯「………」 唯先輩はポカンとした顔のまま固まってしまった。 私の言っていることの意味を理解するのに少々時間がかかっているようだ。 唯「えっと…つまり、私がむったんペンダントを着けて、あずにゃんがギー太ペンダントを 着けるってことかな…?」 梓「は、はい。駄目ですか…?///」 唯先輩はギー太に首ったけだからやっぱりギー太ペンダントの方を欲しがるだろうか。 唯「あずにゃんの…エッチ///」 な、なああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!? 梓「な、なにがエッチなんですか!!///」 唯「だって…あずにゃんがギー太を肌身離さず身に着けて…… 私がむったんをって……なんかエッチくない?///」 う、うぅ……///唯先輩の発想はちょっと飛躍しすぎですが、確かに私にしてはかなり 大胆な提案をしてしまった気がする。 梓「あーもう!じゃあいいです!///そ、それぞれ自分のペンダントを買いましょう!!///」 唯「あ…う、うそうそ!私むったん欲しい!うん、あずにゃんの提案いただき!」 梓「うぅ……//////」 ――――――― 律「ほぉう…じゃあ交換して着けるってのは梓の提案なのか…」ニヤニヤ 紬「すごいわ!梓ちゃん!!すごいすごいすごいすごい!!」フンスフンス! さわ子「梓ちゃんなかなかやるわねぇ」 澪「…………///」カァァァ 私は再び机に突っ伏しただただ時間が過ぎ去るのを待っていた。 今日はもう部活が終わるまで顔をあげれません。 紬「……すごいわぁ……」ハァ・・・ ―――帰り途――― 結局今日は練習なんて一切できず。 散々冷やかされたまま部活は終わり、 散々冷やかされながらの帰り途も他の先輩方とは別れ 今は唯先輩と二人で歩いていた。 唯「あずにゃん…怒ってる……?」 二人っきりになってからしばらくお互い無言で歩いていましたが不意に唯先輩が切り出した。 梓「……なんでそう思うんですか」 唯「…私のせいでペンダントのことバレちゃったし……その後も私ちょっと浮かれちゃって 色々喋っちゃったから……」シュン 私が無言で歩いているのを怒っていると思ったのでしょう。 唯先輩はションボリとうな垂れている。 梓「ハァ……別に怒ってないですよ。ちょっと…いえ、かなり恥ずかしかったですけど。 それに浮かれてたのは私も同じですし」 唯「ペンダント……明日からも着けてきてくれる?」 梓「…もう軽音部公認みたいになっちゃいましたからね。今更隠すこともないでしょう」 先輩方にバレてしまった時点でもうこそこそする必要もない。 さわ子先生に言われたとおり他の先生には気をつけないといけないけど。 憂と純にも……いや、純にはしばらく黙っておこうかな。なんか面倒くさいことになりそうだし。 唯「みんなの公認っていうのも嬉しいけど、二人だけの秘密が無くなっちゃったね?」 ちょっと残念かも、なんて言いながら唯先輩は少し寂しそうに笑った。 梓「唯先輩…アイス食べていきましょうか」 唯「ほえ?珍しいね、あずにゃんの方からアイスのお誘いとは…… あ!…ごめん……昨日ペンダント買っちゃったからお金が……」 梓「今日は私の奢りです」 唯「えぇっ!?いいの?」パァァ 梓「三段重ねまでならオッケーです」 唯「おぉう!あずにゃん太っ腹!!」 梓「他の皆さんには内緒ですからね?……二人だけの秘密です」 唯先輩はキョトンとした顔で私を見つめていたがしばらくすると満面の笑みになった。 唯「うん!」 梓「さあ、早くいきますよ!」 唯先輩の手を取って歩き出す。 私に手を引かれながら唯先輩は『三段か~♪チョコとミントと……えーと、後は…』などと 嬉しそうに呟いている。 ―――よし。今日は私も唯先輩とお揃いの三段アイスを食べよう。 明日からも冷やかされる日々が続くだろうから英気を養わないと。 以上で終わりです。 見てくださった方々ありがとうございます。 戻る
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律「ほい、澪~。あーん」 澪「り、律…恥ずかしいよぉ」 律「いいじゃん、いーじゃん。ほらほら~」 澪「あ、あーん…ん。美味しい…」ぱくっ 律「だろだろ~」 澪「じゃ、お返しだ。あ、あーん」 律「あ~ん♪」ぱくっ 澪「お、美味しいか?」 律「もちろん♪澪の愛情で美味さ100倍増しだよん♪」 澪「ば、ばか律っ!サラッと恥ずかしいこと言うなよぅ///」 律「へへっ…み~お♪」 澪「りちゅぅ~///」 紬「ゲヒヒヒヒヒ!」ボタボタボタボタ 唯「りっちゃんも澪ちゃんも一度スイッチ入ると周り見えなくなるね」 梓「美人で優しい澪先輩はどこに…」 唯「ねぇ、あずにゃん」 梓「あーんはしませんからね」 唯「あうっ…先にストップされちゃったよぅ…」シュン 梓「あのふたりはともかく、私はあんな恥ずかしい真似できません」ツーン 澪「ねぇ…律。律のおでこにクリーム塗りたくって舐めてもいい?」 律「澪は本当にそれが好きだな。…澪がしたいなら、い、いいよ///」 澪「だ、だって律の味と混ざって美味しさハキューンってなっちゃうんだもん///」 紬「ナヒヒヒヒヒヒ!」ハァハァハァハァハァハァ 梓「嗚呼…美人で優しい澪先輩はどこに…」 唯「む~…あずにゃんたらさっきから澪ちゃんのことばっかり」 梓「澪先輩のことばかりと言いますか、ムギ先輩には触れちゃいけない気がして…(普通に怖いし)」 唯「あ、そだ♪」モグモグ 梓「? どうしたんですか? そんなハムスターみたいにケーキを頬張らなくても」 唯「はふやん♪(訳:あずにゃん♪)」ぎゅ~ 梓「いや、言えてませんから―って、むぐっ」 唯「んっ、んむ…んふぅっ…」むちゅちゅ~ 梓「ん~~~! ?! んはっ…んんんっ!」 唯「ぷはっ―どう? 美味しかった?」 梓「な、何考えてるんですかぁ! ケーキ口移しなんて…喉に詰まったらどうするんですかっ///」 唯「大丈夫! 舌でちゃんと押し潰したし」あずにゃんペロペロ 梓「ひゃっ!? ほっぺを舐めないでくださいぃ///」 唯「だって顔中にクリームついちゃってるんだもん。責任持って舐めとるよ~」ペロペロペロペロ 梓「ゆ、唯先輩~!」 唯「だってあずにゃんが澪ちゃんのことばっ―んっ!?」 梓「…口の中に残っていた分ですけど…お返しですっ」むちゅちゅ~ 唯「あ、あずにゃん///」ジ~ン 梓「唯先輩のほっぺも…ペロペロしていいですか?///」 唯「うん…責任取ってね、あずにゃん♪」 紬「キマシタワー!!!!」ガカァッ!←鼻血 和「…軽音部ご一同様、停学と。不純同性交遊極まれりって感じね」 憂「お姉ちゃんっ! 梓ちゃんっ! そーゆーことするときは呼んでくれなきゃ!」 和「邪魔しちゃいけないし、行きましょ、憂」 憂「はい、和さん」ジャラ←和が首輪のリードを引っ張った ムギww -- (ダメですぅ〜) 2010-09-09 02 10 14 ベネ? -- (名無しにゃん) 2011-09-11 18 18 57 最後www -- (唯梓派) 2011-09-20 22 29 46 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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1 2 1.唯梓 2.憂梓 2009/09/07 http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1252316616/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 良いなぁ〜 可愛過ぎる -- (じゅわー) 2012-03-11 19 41 08 両方とも凄く良い -- (名無しさん) 2012-02-11 12 53 28 これはいい -- (名無しさん) 2011-10-09 13 59 16 おうちにいないほうがいい? の唯のセリフに笑ったww -- (ねむねむ) 2011-05-22 22 07 39 どっちも斎藤ぅぅぅ!! -- (とある学生の百合信者) 2011-03-28 08 37 23 れずにゃんってからかわれた後にあんなことしちゃうなんて・・・ -- (名無しさん) 2011-03-23 20 32 31 唯さんの『唇でも、よかったのに』ってセリフ素敵ですね〜♪ -- (唯梓厨) 2011-03-05 04 17 19 短いがイイ -- (名無しさん) 2011-01-13 23 39 17 1のあずにゃんはなぜ憂をうろ覚えなんだ? -- (名無しさん) 2011-01-09 16 17 36 れずにゃん最強 別のSSでもあずにゃんが漫画家になった時のペンネームとしてどこかのお嬢様がれずにゃんをあげてたよね -- (名無しさん) 2010-10-04 23 26 50
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唯「あずにゃん?」 梓「!」ピクッ 唯「今、横目で私のこと見ていなかった?」 梓「さあ……気のせいじゃないですかね」 唯「でも、目が合ったよね?」 梓「ゆ、唯先輩が転んだりしないように見張っていただけですよ」 唯「そうなの?てっきり私のスカートの中覗いてると思ったのに」チラチラ 梓「あうっ……」 梓(パンツが見えるか見えないかギリギリのところで……!) 唯「あ、また横目で見てる」 梓「はっ」 唯「えへへ、私のパンチラ狙ってたんでしょ?」 梓「そ、そんなこと……」 梓(ああ、唯先輩のパンツ何色なんだろう……) 梓(可愛らしいピンク?セクシーな黒?いや、ピュアピュアな純白という可能性も……) 梓(気になる、キニナル、唯先輩ノパンツ……) 唯「あのー、あずにゃん?」 梓「はっ!なな何ですか、唯先輩」 唯「そんなに私のパンツが気になるなら、見せてあげるよ」 梓「え?」 唯「ほらっ」ヒョイ 梓「あっ……」 梓(水玉模様……) 唯「あれ、意外と反応が鈍い?」 梓「……唯先輩」 唯「へっ?」 梓「あなたは何も分かってないです」 唯「ど……どういうことかな?」 梓「スカートの下のパンツは、チラッと見えてこそロマンがあるんですよ」 唯(パンチラが良かったってこと……?) 梓「意図的に露出されたパンツなんかに、誰が美学を感じるですかー!」 唯「と、とりあえず落ち着いてあずにゃん!」ダキッ 梓「にゃっ!……ふにゃあ」ホクホク 唯「ふぅ……あずにゃんはモロよりもチラリズム派だったんだね」 梓「分かってもらえればいいんです……次からはもっと自然に……っ!」 唯「?」 梓(肌蹴たYシャツの襟元から、水玉模様のブラがっ……!)ダラダラ 唯「あ、あずにゃん鼻血出てるよー!」 おしまい パンチラ唯ちゃん! エロにゃん覚醒っ!!(笑) -- (名無し) 2012-12-09 15 55 50 何語ってんだ…変態め… -- (名無しさん) 2013-01-25 13 12 20 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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もしも、軽音部に入っていなかったら? 近頃、私はそんな事を考える様になっていた。 あの時、憂が誘ってくれなかったら… あの時、憂の誘いを私が断ってたら… 今頃、私は何をしてたんだろうか? 本当に楽しかった毎日、だけど楽しかった分だけ別れが辛い。 唯先輩にとっては最後の学園祭も終わり、今は受験に向かって頑張っている時期。 自ずと軽音部の活動も減り、最近は唯先輩と過ごす時間もめっきり減ってきていた。 だからだろう、こんな事を考えてしまうのは… もしも、軽音部に入っていなかったら、唯先輩と出会っていなかったら、唯先輩を好きになっていなかったら。 こんな辛い気持ちになんてならずに済んだかも知れないのに。 「…なんて、今更考えてもどうにもならないんだけど」 そんな呟きと共に溜息を漏らす。 「はぁ、一度は覚悟を決めた筈なのになぁ」 ベッドに横になりながら携帯を手に取る。 「あれ、メール着てるや」 いつの間に?と思いつつメールを開く。 「あ、唯先輩からだ」 携帯の画面には『唯せんぱい』の文字。 「えっと、何々…」 from:唯せんぱい 件名:あずにゃん、元気? 本文:私は勉強ばっかりで疲れちゃった、あずにゃん分が足りないから補充させてよぉ>< 「ふふ、唯先輩は相変わらずか」 メールを読みつつ、思わず口元が緩む。 「しっかりしてください、頑張って勉強しないと皆さんと一緒の大学に行けませんよ…と」 メールを打ち返しながら、胸の奥が少しだけ痛んだ。 「一緒の大学…か、私だけが離れ離れになっちゃうんだ」 そして、またふと考えてしまう。 「…出会わなければ良かったのかな」 最近、ふとした事でそんな風に考える事が多くなった。 「まただ…何でこんなネガティブになっちゃうんだろう」 自己嫌悪に苛まれながら溜息を吐く。その時、不意に携帯の着信音が鳴り響いた。 「電話…唯先輩?」 私は着信ボタンを押し、携帯を耳に当てる。 『もしもし、あずにゃん?』 おっとりとした優しいその声は間違いなく唯先輩のもの。 「どうしたんですか、こんな時間に何か用ですか?」 嬉しいくせに、つい棘のある言い方をしてしまう自分を殴ってやりたい。 『用事って訳じゃないけど、あずにゃんの声が聞きたくなって~』 「声ぐらい学校でも聞けるじゃないですか」 『そうなんだけど、この頃はあずにゃんと会える機会も減っちゃったんだもん』 「それは確かにそうかも知れませんけど…」 唯先輩も私と会えない事を寂しく思ってくれていたらしい。 『あずにゃん分が足りないから、せめて声で補充しようと思ってね』 「はぁ、声で補充出来るのならもう抱きついて来ないで下さいね」 『え~、それは駄目だよ!あずにゃんを抱きしめてこそ満タンになるんだから!』 「意味が解りません」 『ぶ~、あずにゃんのいけず』 そんな他愛のない会話を交わしながら、私の心は少しずつ満たされていく。 「それで、勉強の方は捗ってるんですか?」 『和ちゃんや憂に教わりながら頑張ってるよ~』 「いえ、和さんは解りますが憂に教わってちゃ駄目でしょ…」 『そうかなぁ、そうかもね~』 「本当にもう…」 『それでね、あずにゃん』 「はい、何ですか?」 『明日、一緒にお出かけしない?』 「何でいきなりそうなるんですか…」 『久しぶりにあずにゃんとお喋りしたいなぁって』 「今も喋ってるじゃないですか」 『電話越しじゃなくて、あずにゃんの顔を見つめながら話したいのです!』 「恥ずかしい事をさらっと言わないで下さい」 『えへへ、駄目かなぁ?』 「…勉強の方は本当に大丈夫なんでしょうね?」 『大丈夫!』 「何ですか、その根拠のない自信は…」 『えへへ~』 「もう、笑って誤魔化さないで下さい」 『あずにゃ~ん』 「…はぁ、わかりました」 『え、お出かけしてくれるの?』 「明日は特に用事もないですし、それで唯先輩の息抜きになるんでしたら構いませんよ」 『ありがと~♪あずにゃん分を補給したらきっと勉強も頑張れるよ♪』 「調子の良いことばかり言わないで下さい」 『本当だもん』 「はいはい、それじゃあ…」 そう言って、待ち合わせの場所と時間を確認する。 『じゃあ、あずにゃんまた明日ね♪』 「はい、おやすみなさい唯先輩」 『おやすみ~♪』 「…ふぅ」 携帯を閉じ、枕に顔を埋めながら軽く息を吐く。 「素直じゃないなぁ、私…」 唯先輩の声が聞けて、唯先輩に誘われて本当は凄く嬉しかったのに。 「…明日、どんな服着てこうかな」 そんな事を考えながら、私は静かに目を閉じた。 「ん…」 窓から差し込む眩しい光に、私は思わず目を細めた。 「ふわぁ~あ…」 枕元にあった携帯を手に取り時間を確認する。 「10時16分…」 一瞬の間を置き、全身から血の気が引いた。 「え、え、え~!?」 思わず叫んで部屋の時計を見直す。 「どうしよう、約束の時間過ぎちゃってる…」 我ながら情けない、こう言う時こそ冷静に対処しないといけないのに。 「そうだ…とりあえず唯先輩に伝えないと」 私は再び携帯を開き、唯先輩の携帯に電話を掛けようとした。 「…あれ?」 おかしい、メモリ登録してある筈の番号が出てこない。 「おかしいな」 何度やっても唯先輩の番号は出てこない、それどころか着歴にも唯先輩の名前はなかった。 「何で?昨夜、唯先輩と電話で話した所なのに…」 時間がない事に苛立ちながら携帯を操作していた矢先、ふとある事に気が付いた。 「あれ、こんなに登録件数少なかったっけ…?」 登録している番号を五十音順に流して行く。 「…ない」 私は茫然と呟いた。 「澪先輩の番号もムギ先輩の番号も律先輩の番号も…」 どんどんページを捲るが登録していた筈の番号が出てこない。 「憂のも純の番号もない…何で?」 あまりの事態に、私は携帯を握ったままの状態で暫く途方に暮れていた。 「悩んでても仕方ないか…取りあえず待ち合わせの場所に行かないと」 こうして居ても時間は止まってはくれない、既に待ち合わせの時間から40分近く過ぎている。 「唯先輩、まだ待っててくれてるかな…」 不安げに呟きながらも、唯先輩ならきっと待っていてくれていると心の何処かでは確信していた。 私は出来るだけ素早く着替えを済ませ、待ち合わせの場所へと急ぐ事にした。 「唯先輩!」 時刻は既に11時を過ぎていた。 待ち合わせ場所に着いた私は唯先輩の姿を懸命に探す。 「…居ない」 辺りを見回すが唯先輩の姿は何処にもなかった。 「怒って帰っちゃったのかな…」 唯先輩が怒る顔なんてまるで想像出来なかったが、この寒空の中で1時間も待たせてしまったのだから怒らせてしまう事だって有り得る話だ。 「だけど…」 私は携帯を開き呟く。 「唯先輩から連絡が一切ないって言うのも、何か不自然な気がするんだけど」 唯先輩の事だ、私が待ち合わせ時間に来てなかったら心配してメールなり電話なりして来るはずなのに。 「まさかとは思うけど…」 私はもう一つの可能性を導き出す。 「もしかして、唯先輩…まだ家で寝てるとか?」 可能性がない訳じゃない、むしろ普段の唯先輩の行動から考えるとその可能性は極めて高い。 「見た限り此処にはいないみたいだし、家の方に行ってみようかな」 私は途中で行き違わない様、周囲に気を配りながら唯先輩の家へと向かう事にした。 「あ…」 唯先輩の家に向かうべくその場を離れようとした時、視界の端にふと見知った顔が映り込んだ。 「純~!」 私は名前を呼びながら彼女に向かって軽く手を振る。しかし彼女がこちらに気付く様子はない。微かに聞こえた声に辺りを見回し首を傾げるだけだった。 「あれ、聞こえてないのかな?」 私は彼女の方へと歩きながらもう一度その名を呼ぼうとした。けれどその時、私とは正反対の方向から彼女を呼ぶ声がした。 「お待たせ、純ちゃん!」 「もう遅いじゃない、憂」 手を振りながらその場に現れたのは憂、急いで走って来たのか心なしか息が荒い。 「ごめんね~、お姉ちゃんが中々起きてくれなくて…」 「相変わらずだね、憂のお姉ちゃん」 二人の会話が聞こえた私はホッとして胸を撫で下ろす。 「やっぱり、唯先輩も寝坊してたんだ」 人間とは現金なもので、安心すると同時に今度は怒りが沸々と沸いて来た。 「唯先輩から誘って来たのに…ここは厳しくお説教した方が良いよね」 そんな事を考えていると、いつの間にか私は憂達の目の前まで来ていた。 「憂、純、二人揃ってお出掛け?」 私が掛けた声に二人はこちらを振り向く。 「…」 「…」 二人は私を見つめるが何も答えない。 「…?どうしたの、二人とも?」 再度の問いに、純が少し困った様な顔で口を開く。 「え、えっと…確か同じクラスの中野さんだったかな?」 「え?」 思いも寄らぬ純の返答に、私は茫然と呟いた。 「純ちゃん、クラスメイトなんだからちゃんと覚えておかないと」 「そうだよね、ごめんごめん」 憂に窘められ、純が私に向かって頭を下げる。 「ちょ…純?憂?一体、何の冗談…」 「中野梓ちゃんだよね…今日はどうしたの、梓ちゃんもここで待ち合わせしてるのかな」 「!」 憂の言葉に私は凍りついた。今の言葉はどう聞いても友達に対してじゃない、他人に対して放つそれだったから。 「梓ちゃん?」 「あ…うん、ちょっと友達と待ち合わせしてたんだけど来なくてさ」 「ああ、そうなんだ」 屈託のない笑顔で憂が言う。その表情からは私をからかおうとしている様子など微塵も感じない。 「良かったら、友達が来るまで一緒にお話してようか?」 「う、ううん…ちょっと来るの遅れてるみたいだから迎えに行く事にするよ」 「そう?それなら良いけど…」 「うん、ごめんね…ありがとう…また、ね?」 何とかそれだけを言い残し、私は逃げる様にその場を立ち去った。 「行っちゃったね、梓ちゃん」 「うん、だけど…」 「どうしたの、純ちゃん?」 「あの子って意外と明るいんだね、教室ではいつも一人で居るからちょっと驚いちゃった」 「うん、そうだね」 「…と、急がないと映画始まっちゃうね」 「本当だ、もうこんな時間」 「さて、それじゃあ行きますか」 「うん、行こっか」 「何で…どう言う事なの?」 憂達と別れた後、私は我武者羅に走り続けた。 「訳わかんない…」 事態が飲み込めず、私は混乱する一方だった。 「これって、まさか…」 混乱する頭を何とか働かせ、私は考えを巡らせる。そして一つの結論に達した。 「私がずっと考えてた…もしもの世界?」 ここ最近、私がずっと考えてた事。 もしも、私が軽音部に入っていなかったら? あの時、憂が誘ってくれなかったら… あの時、憂の誘いを私が断ってたら… その結果が、今のこの世界なのだろうか? もしそうならば、携帯のメモリに唯先輩達の名前がないのも納得できる。 そもそも、出会って居ないのだから携帯番号なんて知ってる筈もない。 「だけど、それなら…」 私のこの記憶は何なのだろう?出会ってもいない人を想うこの気持ちは何なのだろう? 私は足を止める。いつの間にか私は唯先輩の家の前に立っていた。 「…」 私はドアの前に立ちインターホンを押すが返答はない。 「…」 再度、インターホンを鳴らすが一向に出てくる気配はない。 「…」 三度目のインターホンを鳴らした時、家の中から微かに音が聞こえた。 「…」 その音に私の体がわずかに強張る。私の想像が正しいかどうか、唯先輩と会えば全てがはっきりとする筈だ。 暫くするとドタドタと激しい物音が聞こえ、ガチャっと言う音と共にドアが開いた。 「はい、どちらさま~?」 目の前にパジャマ姿のまま寝癖が付いたボサボサ頭の唯先輩が現れた。 「唯先輩」 「?」 唯先輩はキョトンとした顔で私をじっと見つめている。 「おはようございます、唯先輩」 とりあえず挨拶を交わす、今にも叫び出しそうな気持ちを抑えて静かに唯先輩の言葉を待つ。 「あ、おはようございます」 よくわからないと言った表情でそう返す。 「もう、寝惚けてるんですか…唯先輩!?」 唯先輩の反応に、私は思わず口調がきつくなってしまう。 「あの、どちらさま?」 「!」 その言葉を聞いて…私の中で何かが音を立てて崩れていく気がした。 「初めまして…だよね?」 少し訝しげな表情をしながら唯先輩が首を傾げる。 「何を…言ってるんですか、唯先輩?」 「私を先輩って呼ぶって事は二年生の子?あ、小っちゃいしもしかして一年生?」 その言葉を引き金に、ずっと抑えていた私の理性の糸がぶち切れた。 「誰の胸が小さいですって!例え唯先輩でもそんな暴言許しません!」 「えぇ!?言ってない言ってない!胸の事なんて一言も言ってないよぉ~!」 ぶち切れた私に涙目で言い訳をする唯先輩。 「今更、謝っても許しません!ヤッテヤルデス!ヤッテヤルデスヨ!」 私はその勢いのまま唯先輩に襲い掛かる。しかし、そんな私を唯先輩は真正面から抱きしめてくれた。 「よしよし、良い子良い子♪」 そう言いながら、優しく私の頭を撫でてくれる。 「ふぅふぅ…にゃ~ん♪」 「可愛い♪猫さんみたいだねぇ♪」 「にゃ~ん…はっ!?」 あまりの愉悦感に意識が飛びかけた。…と言うか飛んでいた。 「貴女、名前は何て言うの?」 「梓…中野梓です」 「梓ちゃんか…じゃあ、あずにゃんだね♪」 「あ…」 唯先輩にそう呼ばれた瞬間、私の中のもやもやが全て弾け飛んだ気がした。 「あ~ずにゃん♪」 「唯先輩…」 何だろう、ついさっきまで絶望に打ちひしがれていた気持ちが、何もなかったように解けていく感じがする。 「あずにゃんは私の事、知ってるの?」 「知ってます…唯先輩は私の大切な先輩なんですから」 「そっか、嬉しいな♪」 「だけど、唯先輩は私の事を知らないんですよね?」 「…うん」 その言葉に、またさっきの暗い感情が顔を出す。 「…」 「ねぇ、中に入って少しお話しようよ?」 私は答えなかったが、唯先輩は構わず私の手を引いて家の中へと通してくれた。 じゃあ、あずにゃんは本当に私の後輩だったんだね」 「はい」 「こんな可愛い後輩が居るなんて、もう一つの世界の私が羨ましいよ~」 「…そうですか?」 「うん」 唯先輩に招き入れられ、私は自分が置かれているであろう状況(あくまで想像だが)を説明した。 「私がもしも…なんてずっと考えてたからこんな事になっちゃったんでしょうか」 「もしもの世界かぁ…これってあれだよね?パラパラワールドってやつだよね?」 ちょっと待て、何だその愉快の世界は…? 「もしかしなくても、パラレルワールドの事ですか?」 「そう、それ!」 「やっぱり、何処の世界でも唯先輩は唯先輩ですね」 呆れながらそう言いつつも、心の何処かでホッとする私が居た。 「だけど、あずにゃん…『もしも』の世界をずっと考えてたって事は元の世界が嫌だったの?」 「嫌だなんて、そんな訳ありませんよ!」 「そうなんだ、じゃあ何で『もしも』なんて考えてたのかなぁ?」 「…」 唯先輩の問いに言葉が詰まる。嫌だった訳じゃない、それは誓って言える。だけど…。 「私は逃げたかったのかも知れません」 「逃げたかった?」 「私以外は三年生で、皆さん同じ大学を志望してて、もうすぐ卒業で、それで…」 「自分だけ置いて行かれる様な気がしちゃった?」 「…はい」 「ふふ、そっか」 「…何で笑うんですか?」 全てを見透かした様な唯先輩の顔に、私はちょっとムッとした。 「ごめんごめん、馬鹿にして笑った訳じゃないよ?ただ…」 「ただ、何ですか?」 「ただ、あずにゃんはどうして自分だけ置いて行かれるなんて思ったのかな~って」 「え?」 何を言ってるんだこの人は…現実に私だけが置いて行かれるじゃないか。 「あずにゃんは追いかけようとは思わないの?」 「どう言う意味ですか?」 「先に卒業して行く私達を、あずにゃんは追い掛けて来てはくれないのかな?」 「追いかける…ですか?」 「もし、今の私にあずにゃんみたいな可愛い後輩が居たら…無理矢理にでも連れて行っちゃいたいよ」 「何を言ってるんですか、そんな事出来る訳が…」 「そう、出来ないよね…気持ちではそう思っててもそんな事は現実には出来ないもん」 唯先輩の言いたい事がよくわからない。ただ、『現実には出来ない』と言う言葉に激しく感情を揺さぶられた。 「出来ないなら、どうしようもないじゃないですか」 「うん、出来ない…私には」 「私には?」 「私達が別れて、また一緒になれる方法…それが出来るのはあずにゃんだけなんだよ」 「私…だけ?」 唯先輩が真剣な顔で私を見つめる。 「先に行く私を追いかけて来てよ、あずにゃん」 「私が唯先輩を追いかける…」 「そう…追いかけて来て欲しい、あずにゃんに」 そうか…唯先輩が私を連れて行くことは出来ないけど、私が唯先輩を追いかける事は出来るんだ。 「唯先輩…」 「なぁに、あずにゃん?」 「もしも、私が追いかけて行ったら、唯先輩は私を受け止めてくれますか?」 「駄目だよ」 「え…」 「もしも…じゃ駄目」 「あ…」 「もしも…じゃない、あずにゃんの本当の気持ちを教えて?」 「私は…私は唯先輩を追いかけます、このまま終わりにはしたくないから!」 「うん、あずにゃん…待ってる♪」 「唯先輩…」 唯先輩が優しく私を抱きしめてくれる。甘い香りと共にその柔らかな感触が私の全てを包み込んでくれた。 「唯…先輩?」 私を包む柔らかな感覚はそのままに、少しずつ意識が遠のく。 「あずにゃん、待ってるからね…」 その言葉を最後に、私は優しい香りと感触に包まれたまま深い眠りへと誘われていった。 「ん…」 窓から差し込む眩しい光に、私は思わず目を細めた。 「ふわぁ~あ…」 枕元にあった携帯を手に取り時間を確認する。 「8時32分…」 昨夜は遅くまで起きてたせいか、普段よりも遅い起床時間。 「今日は唯先輩と出掛ける約束…を…」 そう呟いた瞬間、私は目を見開いた。 「そうだ…もしもの世界!」 私は携帯を開き、登録された番号を確認する。 「あ…」 そこには間違いなく『唯せんぱい』の番号が登録されていた。 「私、戻ってきたの?それとも夢…だったの?」 今となってはそれが現実だったのか夢だったのかはわからない。 「夢…だとしても」 ただ、私の心には明らかな変化があった。 「もう逃げない、だって私には出来るんだから」 あの人が教えてくれた。あの人が待ってるよって言ってくれた。だから私は追いかけようあの人を。 「唯先輩…」 そして、いつの日か私の想いをあの人に伝えよう。 「待ってて下さいね、唯先輩!」 ただ一言、貴女が好きです…と。 終 これはかっこ唯 -- (名無しさん) 2013-10-14 09 50 07 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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放課後、廊下を歩いていると唯先輩が私の元に駆け寄ってきた。 唯「あずにゃーん♪」 梓「あ、唯先輩!こんにちは」 唯「こんにちはー♪今日も部活頑張ろうね!」 梓「お菓子を食べるのは頑張らなくていいんですよ?」 唯「ぎくっ…れ、練習も頑張るよ」 そんなやりとりをしつつ部室にたどり着くと、ドアに貼り紙がしてあるのに気がついた。 梓「なんだろこれ…えっと…」 ――緊急連絡―― 本日は澪が歯医者に行くそうなので部活は休みです! 私とムギが責任持ってついてくのでお前らは心配しないでいいぞ! ――超絶天才美少女部長 田井中律―― 梓「な…なにこれ…」 唯「澪ちゃん虫歯なんだねー。大丈夫かなぁ」 梓「ていうか…律先輩はともかく、なんでムギ先輩まで付き添いに?」 …まぁ、なんとなく察しはつくけど… 梓「…で、なんで私は唯先輩の部屋にいるんでしょう」 唯「へ?」 30分後、私は唯先輩の部屋の座布団にちょこんと座っていた。なんでこうなったのか、自分でもよくわからない… 唯「なんでって、あずにゃんが来たいって言ったんじゃーん♪」 梓「わ、私はそんなこと言ってないもん!唯先輩が遊びに来いって強引に引っ張ってきたんじゃないですか!」 唯「えーそうだっけー?記憶にないなー」 梓「あなたって人は…」 唯「まぁまぁ、二人でのんびりしようよ♪はい、冷蔵庫にあったプリンだよー」 梓「ど、どうも…」 私はこの状況に戸惑うと同時に、嬉しくもあった。こんな風に唯先輩の部屋で二人きりになるなんて、初めてだから。 プリンを食べながら唯先輩を眺めていると、不意に先輩と目が合った。 唯「…あずにゃん」 梓「はい?」 唯「今、ドキドキしたりしてる?」 梓「さぁ、どうでしょう?」 唯「むー、しないの?私はしてるのに」 梓「確かめてみます?」 唯「うん。確かめる!」 唯先輩は私の胸に頭を近づけると、ぴたりと耳を当てた。なんだか、妊娠した奥さんのお腹の中の音を確かめる旦那さんのようだ。 そう考えると、妙に照れくさくなってしまう。 唯「あ、ドキドキいってる!やっぱりしてるんじゃん」 梓「それは唯先輩がくっついてるからですよ」 唯「じゃあ…こうしたら、もっとドキドキするかな?」 唯先輩は顔を上げると、私にキス――せずに、ぺろりと私の頬を舐めた。 思いがけない感触に、私の体はビクッと震える。 梓「うぅっ…な、なにするんですかぁ」 唯「えへへー♪柔らかそうだったからつい」 梓「そんな犬じゃあるまいし…でも唯先輩って犬っぽいところありますよね。居眠りしてる時なんか特に」 唯「あ、あんまりうれしくない…」 梓「私があずにゃんなら…先輩は唯わんですね」 唯「ゆ、唯わん…かわいいかも…」 梓「冗談で言ったつもりなのにまんざらでもなさそうですね…よし唯わん、お手!」 唯「わん!ってやらせないでよ!…えいっ!」 梓「きゃっ…」 唯先輩は私にのし掛かった。お互いの体が密着して、その鼓動や息づかいが手に取るように分かる。 唯「ふふっ…犬は猫より強いんだよ、あずにゃん♪」 梓「…それはどうでしょう?猫だって犬に勝つこともありますよ」 唯「じゃあ…試してみる?」 梓「…やってやるです」 猫と犬、どちらが勝ったかは…ご想像におまかせします。 おわり 犬の圧勝 -- (名無しさん) 2010-06-30 23 22 02 じわじわと猫が追い詰める -- (ぴー) 2010-07-16 09 53 42 犬のドSスキル発動 -- (名無しさん) 2010-08-02 11 48 12 バター犬覚醒 -- (名無しさん) 2010-08-04 23 19 46 唯わん、強し♪ -- (名無し) 2011-08-19 08 23 38 うへっ続き見てぇーうへへ -- (キング) 2012-01-22 21 22 42 Mにゃん捨てがたいけど、猫のspeedyな勝利。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-21 02 43 57 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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梓「……ふぅ」 唯「あ、あずにゃん? どうしたの? 何だか私よりも下手になってるよ!?」 梓「それは、ただ単に唯先輩が上手になっただけじゃないんですか?」ぐらぐら 唯「そんなこと無い――ってどうしたのあずにゃん? ふらふらしてるじゃん!?」 梓「気のせいです」ぽふっ 唯「あ、あずにゃん? 急にもたれかかってきてどうしたの――熱いっ!」 梓「どうしたんですか先輩……。今日はいつもよりハイテンションですね」 唯「そりゃあずにゃんが心配だからだよ! 凄い熱だよ!?」 梓「熱ですか……。はぁ、確かに少し熱いですねぇ」 唯「これは少しってレベルじゃないよ!? 家に帰って寝ないと!」 梓「それは、だめでしょう。ただでさえ練習時間短いのに」 唯「いいからっ! それにこんな状態じゃ練習にならないよ!」 梓「――はぁ、分かりました。では家に帰らせていただきます」ふらふら 唯「そんな状態じゃ無理だよ! 私が送ってあげるから!」 梓「――えっ?」 梓「せ、先輩……やっぱり無理ですよぉ」 唯「だいじょーぶ! ギー太だってちゃんと持ち運び出来るんだから!」 梓「ギターと一緒にしないでくださいよ……」 唯「ふんふーん♪ それじゃ、いっくよー?」ひょいっ 梓「わ、わ、わ……。だ、大丈夫ですか?」 唯「余裕だよ~」 梓「凄いですね……」 唯「それじゃ、あずにゃんのお家にれっつごぉ~!」 梓「お、おーっ」 梓「せ、先輩……かなり恥ずかしいです……」 唯「え~? 私はそんなことないよ?」 梓「どんな神経をしてるんですか……」 唯「だってあずにゃんが心配だからね。恥ずかしいなんて思えないしあずにゃんと一緒にいられたら嬉しいもん」 梓「…………ひきょうです……」 唯「うん? 何か言ったかな?」 梓「な、何でもありません。早く進んでください」 唯「? 変なあずにゃん」 唯「もう少しで、着くねぇ~」 梓「先輩、大丈夫ですか? 息が上がってきてますよ?」 唯「だいじょ~ぶっ……。ちなみに今日は家族の人いるの?」 梓「両親は今日から旅行に出かけて、お兄ちゃんは彼女さんのところでお泊りするそうです」 唯「お兄さん彼女さんいたんだねぇ。かっこいいから当然かぁ~。残念」 梓「残念?」 唯「うん。ちょっとだけ狙ってたんだけどな~」 梓「狙ってた? お兄ちゃんのことが好きなんですか?」 唯「好きっていうか、ちょっといいかなって思うぐらいかなぁ」 梓「だめですよ」 唯「へ?」 梓「お兄ちゃんとは付き合わせませんから」 唯「じょうだんだよぉ~。本当にお兄ちゃんっ子なんだからぁ」 梓(……鈍感) 唯「よっと……。ようやく着いたね」 梓「ふぅ。ありがとうございました」 唯「いえいえどういたしまして~。さ、鍵を開けて?」 梓「はい――へっ?」 唯「どうしたの? 開けないと中に入れないよ? もしかして鍵を無くしちゃった?」 梓「いや、鍵はありますけど……中にまで着いてくるつもりですか?」 唯「え? 当然だよ。だって家族の人誰もいないなんて寂しすぎるじゃない」 梓「はぁ……。さびしい、ですか」 唯「うん! だから今日は私が看病してあげるんだぁ~」 梓「――はっ!?」 「るんるーん♪」 何だかんだで家に上げてしまったけど……。 「剥き剥き楽しい~」 先輩に看病が出来るとはとてもじゃないけど思えない……。 「は~い、あずにゃん。りんご剥けたよ~」 「やっぱり帰ってもらったほうが――えっ?」 唯「どうしたの? あずにゃん」 梓「い、いえ……何でもありません」 唯「そう? ま、いっか。はい、りんご食べて」 梓「は、はい……」 唯「わくわく」 梓(うぅ……。凄い期待してる眼だ……。でも、唯先輩が剥いたものだよ? 食べられるわけが……)「い、いただきます」 唯「はい、どうぞっ」 梓(うぅ……ぱくり)「――お、おいしい」 唯「でしょでしょー」 梓(ほ、ほんとにおいしい……ぱくぱく)「いったいどうしたんですか」 唯「うん? 何が?」 梓「不器用な先輩がどうしてこんなに上手に剥けるのかなって……失礼ですね、すみません」 唯「そんなことないよ。実はね――」 唯「小学生だったころの憂は本当に体が弱くてね、毎日のように私が看病してあげてたんだ」 梓「憂が? そうだったんですか……」 唯「うん、その時はまだ私が守らなきゃって思ってたんだろうね。必死で看病の勉強をしてたんだ」 梓「唯先輩が必死になればすぐ覚えられたんでしょうね……」 唯「うーん。よくわかんないけどそれからしばらくして憂が元気になってね。そしたらもうだらけきっちゃって今の私の出来上がりですよ」 梓「ずいぶん端折りましたね……」 唯「うん。だって必要ないもん」 梓「まぁそうですね」 唯「うん。あずにゃんはゆっくり休みなよ。風邪のときは寝るのが一番なんだから」 梓「そう……ですね。では失礼して寝させてもらいます」 唯「うぃ。お休み――」 ――気がつくと私は知らないお花畑にいた。 「あ、あれ? ここはどこだろう……?」 おかしい。さっきまでベッドの上で唯先輩と喋ってたはずなのに……。 ひょっとしてこれは夢なのだろうか。いや、もしかしたらさっきまでが現実でこっちが夢――――。 「まあ、いいか。何だか体もすっかり楽になったし、少し辺りをふらついてみよう」 そう思い、歩き出すこと数分。 「やぁ……恥ずかしいよぉ」 「ふふふ、そんなこといいながらここはビンビンだぜ?」 ――甘ったるい唯先輩の声と、嗜虐的なお兄ちゃんの声が聞こえてきた。 「――――は!? ……夢か」 最悪の目覚めだった。 胸はドクドクしてるし、汗で寝巻きはぐっしょりだし。 ……唯先輩と、お兄ちゃんが……。 ついついさっきの声を思い出してしまう。 「リアル……だったな……」 もしかしたら本当にあんなことをやっているのかもしれない。 「……うんう。そんなことは唯先輩に限ってないはず。私が信じないと」 とにかくもう一度寝よう。今度はいい夢を見られるように。 「――ん?」 布団を被り直そうとして、そこに人が寝ていることに気付く。 「……ん……あずにゃぁん……」 「……先輩」 本当に、ずっと看病してくれてたのかな……。 「……ありがとうございます」 疑ってたのがばかみたいだ。唯先輩は本当に私のことを考えてくれてるんだから……。 「…………」 少し考えてから、唯先輩と一緒に布団を被る。 そしてぎゅっと先輩を抱きしめる。 「おやすみなさい、先輩……」 今度はきっといい夢を見られますように―― Fin